一般社団法人 Happy Education オトナのあり方勉強会
2024/12/16
一般社団法人 Happy Educationによる「不登校の子どもを持つ保護者及び教育関係者対象講演会」を視察いたしました。
写真①視察日の内容
一般社団法人 Happy Educationは、当財団の助成金を昨年度より受けて
おられます。
昨年度は不登校の子どもと対峙している大人の在り方を学ぶ事業でしたが、今年
度は当事者や経験者の身近な体験談等の話しを聞き、交流する場を設け、孤立し
がちな状況を打破するきっかけを作ると共に、正しい情報で学び合うことで、
保護者や当事者の負担を軽減し、よりよい環境を目指すための勉強会を5月より
5回実施されておられます。
その「オトナのあり方勉強会」の5回目を当財団の大窪正行評議員が視察いた
しました。
(以下、大窪評議員の視察報告書より抜粋しております。)
写真②アジェンダ(予定表)
一般社団法人 Happy Educationさんの助成対象の活動 は、様々な生きづらさを
抱える子どもたちに寄り添う対応について学び合う場として、 当事者の母親4名による
経験談を語る会を4回にわたり開催し、最終回となる5回目には当事者である子どもたち
を交えたパネルディスカッション等が開催されました。
このうち、視察者が参加したのは最終回の活動です。(写真①参照)
視察した活動の内容は、当日のアジェンダ(写真②参照)に沿って進められました。主な
内容は以下のとおり。
(1)パネルディスカッション:約1時間半(写真③参照)
本日のルール「守秘」「尊重」について説明があった後、不登校経験、起立性調節障害、
発達障害等の生きづらさを抱える3人のパネリスト(中3男子、中3女子、高1男子)が、
「学校について」「どんな学校が入りやすいか?」「私の好きに出会うまで」「多様な学び
とは?」「大人に伝えたいこと」の5つのテーマについて、順次、自分の言葉で実体験や
今思っていること等を語ってくれました。
(2)グループディスカッション:約1時間
休憩を挟んで、5~6人ずつの5つのグループに分かれて、パネルディスカッションに
ついての感想、参加者自身の体験や悩み等について話し合いました。
視察者もメンバーの一人としてEグループ(4人の母親や学童保育関係者)に参加し
意見交換をしました。
先輩格の母親の「今でこそ子どもを落ち着いて見守ることができますが、昔を振り返る
と数多くの失敗も重ねてきました。」旨の発言に、若い母親が安堵の表情を浮かべていたの
が印象的でした。
写真③パネルディスカッション
パネルディスカッションに登壇した3人の子どもたちは、「素の自分」について具体的な
エピソードを交えながら臆することなく語っていました。
私も含め全ての参加者が、子どもたちの発表態度や発言内容に深く感銘を受けたと思います。
ここに至るまでには様々な困難を乗り越えてきたであろう、子どもたちの成長の足跡を辿る
思いで拝聴させてもらいました。
また、子どもたちの自由な発言を引き出すファシリテーターの役割発揮の素晴らしさには、
目を見張るものがありました。
「オトナのあり方勉強会」は、4回目までは当事者の母親が講師を務めて「不登校」「ネット・
ゲーム」、「発達障がい」、「起立性調節障害」のテーマに沿って体験談を語る内容で実施されま
したが、最終回は、親は完全に後ろに下がり子どもたちの生の声を聴くという構成でした。
最終回後半のグループディスカッションも含めた一連の取組は、親同士の「ピアカウンセリング」
的要素の強い取組であるように感じられました。
村上代表理事の閉会の挨拶にありましたが「親として今この場でこうして光り輝いておられる
のは、まさに子どものお陰だと思います。」という言葉が強く印象に残りました。
写真④ミシンでの作品
一般社団法人Happy Educationによる今回の取組は、様々な生きづらさを抱える
子どもたちの成長や親たちの学びの場として極めて有意義であり、また、当事者の親たちで構成する
実行委員(6人)により企画・運営されるというユニークで先駆的な活動であり、愛山青少年活動
推進財団の助成金が有効に活用されていると感じた次第です。